みなさん、こんにちは。 今日は、円安と円高と投資信託の関係性について考察していきます。
円安は円の価値が低い、円高が円の価値が高いということ
円の価値は外国為替市場で決まる
円の価値と言いますが、どこでそれが決まるのでしょうか?
円の価値は外国為替市場(単に「為替市場」ということもあります)で決まります。
外国為替市場とは、円やドル、ユーロなどの異なる通貨を交換(売買)するのことを言います。
世界を見渡すと、いろいろな通貨があることはご存じだと思います。アメリカは米ドル、日本は円、イギリスはポンド、ユーロ圏はユーロを使っているところもありますよね、また、中国の元なども最近は世間を騒がせていると思います。
このように全世界では多くの通貨があり、外国に行った際はもちろんその国の通貨を使わなければなりません。
例えば、日本人がアメリカへ旅行に行き買い物等を楽しみたいときには米ドルを持っている必要がありますが、日本では円しか持っていないことが通常です。
また、輸入を行う会社が海外との代金決済のために円を対価に外貨を調達するとか、国内の投資家が外貨建て金融資産を売買する際に円と外貨を交換する、といったケースも挙げられます。
こうした様々なニーズを満たすため、各国の通貨を交換(売買)する必要があり、作られたのが外国為替市場です。
外国為替市場は実在しない!?
これまで外国為替市場の話をしてきましたが、じつは外国為替市場にはリアルの場所はありません。
なぜなら、為替取引は取引所で集中的に売買が行われる「取引所取引」とは異なり、売り手と買い手が1対1で電話やその他の通信機器を通して価格や数量などの取引条件を決定し、決済(精算)までを行う「相対取引(店頭取引)」だからです。
特に取引が集中する都市の名前を取って、イギリスであれば「ロンドン外国為替市場」、アメリカであれば「ニューヨーク外国為替市場」、日本であれば「東京外国為替市場」などと呼ばれているだけで、為替取引は世界各国のあらゆる場所で行われているのが実態です。
外国為替市場の各国の通貨の交換(売買)レートは、市場での需要と供給で決まる!
外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率を為替相場(為替レート)といいます。
「本日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=○○円××銭と、前日に比べて△△銭の円高ドル安でした。」
といったニュースを皆さんも見たことがあると思います。
これが、為替相場です。円とドルの交換比率が1ドル=〇〇円××銭ということですね。
為替相場は、誰かが一方的、恣意的に決めるわけではなく、市場における需要と供給のバランスによって決まります。これは、物やサービスの価格が決まるのと同じ原理で、変動相場制と言われています。
円高とは円の価値が上がっているということ
これまで、外国為替市場における各国通貨の交換比率について考察してきました。
また、この交換比率は市場における需要と供給で決まることも考察できました。
ここから、円高円安について考察していきます。
外国為替市場における円の需要が高い場合、円を欲しがる人が外国為替市場に多くいるということになります。
「円を欲しがる人が多い」=「円の需要が上がる」ということとなり、円が外国為替市場に出ている総量よりも円を欲しがる人が多くなった場合、円の価値が上がることとなります。
円の価値が上がるということは、ほかの国の通貨と交換する場合、それまでより少ない円の量で交換できるということとなります。
これが、「円の価値が上がる」=「円高」ということとなります。
ここからが、よく間違えやすいというかいやになってしまうところなのですが、
1ドル = 150円 ⇒ 1ドル = 140円
になったとき、これが円高です。
円の価値が上がるのに、安くなってるじゃないか、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、よく聞いてください。
1ドルを150円で交換できる状態から、1ドルを140円で交換できる状態に変わったということですから、これまでより10円安くドルと交換できる状況になったということです。
ほら、円の価値が上がったといえますよね。
円安とは円の価値が下がっているということ
円安は、これと逆で、
1ドル = 150円 ⇒ 1ドル = 160円
になるということです。
見た目は金額が上がっていますが、1ドルと交換するのにこれまでより10円上がっているということとなります。
円の価値が下がっているといえますよね。
これが円安ということになります。
円安と円高は、投資信託を考える時も重要です!
円安と円高は、投資信託商品を購入するときにも重要な指標の一つとなります。
なぜなら、外国株を購入するときに、その外国株はその国の通貨に依存するからです。
円高であれば、同じ金額で多くの外国株を購入でき、円安であれば少ない外国株しか購入できなくなってしまいます。
次回はここら辺を考察していきたいと思います。